iPS角膜再生、近く申請 大阪大、臨床研究学内審査 実用化に本格始動へ

目の病気の患者に移植された網膜細胞のもとになった、他人のiPS細胞(理化学研究所提供)
目の病気の患者に移植された網膜細胞のもとになった、他人のiPS細胞(理化学研究所提供)【拡大】

 人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から角膜の細胞を作製し、けがや病気で角膜を損傷した患者に移植し再生する研究を進めている大阪大の西田幸二教授(眼科学)のチームが22日にも、臨床研究の実施を学内の審査委員会に申請することが11日、分かった。iPS細胞を巡っては、網膜で世界初の臨床研究が実施され、心臓病やパーキンソン病でも研究が進展中。新たに角膜でも実用化に向けた動きが本格始動することになる。

 角膜は厚さ0.5ミリ程度の透明な膜で、レンズの役割を持つ。けがや病気で傷めると、視力が落ちたり失明したりする。

 チームは、iPS細胞から角膜の細胞を作って患者に移植し、機能の改善を目指す。

 提供された角膜を移植する治療法は既にあるが、提供者の確保が必要な上、拒絶反応の心配がある。iPS細胞を利用すれば、こうした課題の解決につながるという。