自然体に近づくアンドロイド 散歩ができる子供型、会話上手な女性型 (2/2ページ)

相手に合わせて、より自然な会話を交わせるアンドロイド「ERICA」
相手に合わせて、より自然な会話を交わせるアンドロイド「ERICA」【拡大】

  • 子供型アンドロイド「ibuki」(手前)。奥は大阪大院基礎工学研究科の石黒浩教授=東京都江東区青海の日本科学未来館

 相手の心理状態把握

 面接とは異なり、目的が明確でない初対面の人との世間話のデモも行われた。待合室で初めて会った人と話すという場面設定で、待ち時間が長いと人間が話すと、エリカは「そうですね。ちゃんと準備してほしいですよね」と答え、「こういう待ち時間、普段はどのようにつぶしますか」と話題を提供した。

 エリカは恋愛小説を読むのが好きな設定で、人間役が本を読むのが好きだと答えると、目を見開いて喜びの表情を見せ、より積極的に話し出した。共通の話題を発見して会話が弾む様子が再現された。逆に、人間側があまり積極的に話をしたくない様子を示すと、次第に話をしなくなるなど、相手の振るまいに合わせて距離感を作る。マイクや動きを検知するセンサーなどを通じて情報を集めて心理状態を把握する仕組みだ。

 石黒教授は「相手の状況に合わせて話すことができるようになってきた。語彙を増やしたり、間の取り方を研究するなどして、より自然な対話ができるロボットを実現したい」と、さらなる進化に意欲を示した。