地響き…突如崩れた民家 静かに進行する高齢化社会の家屋倒壊、家主・行政・周辺どうすべき (1/3ページ)

倒壊した大阪府東大阪市の民家(志儀駒貴撮影)
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 前触れなく、音を立てて崩れ落ちた。大阪府東大阪市で6月、老朽化した民家が突如倒壊し、住人の親子2人が一時下敷きとなった。「家屋は以前から傾いていた」(近隣住民)のに、対策が講じられることはなかった。建築物の維持修繕は原則的に家主の責任。空き屋であれば撤去を勧告・命令できるが、実際に住んでいる場合は行政も対応が難しい。高齢化社会の深化に伴い、こうした老朽家屋の「自然倒壊」も増えるとみられ、専門家は実態把握の必要性を訴えている。

 「助けて!」叫ぶ声

 ドドドド…。地響きとともに、すさまじい土煙が舞い上がった。

 6月8日午後5時すぎ、大阪府東大阪市川俣本町。木造2階建ての民家がいきなり全壊したのだ。近所の男性(69)はその瞬間こそ見ていないが、すぐにこの家が倒壊したのだと分かった。「前から全体が傾き、つっかえ棒のようなもので支えている状態だった」

 男性によれば、この民家には70代の女性と2人の息子が暮らしていた。当時、家にいたのは女性と50代の長男。市消防局によると、2人は建物に挟まれ、身動きがとれない状態だった。

 「助けて、痛い!」。 がれきの中から女性が叫んでいた。「『大丈夫、がんばってや』とみんなで励まし続けた」と男性は振り返る。2人は約1時間後に救出された。いずれも脚などにけがをしていたが、命に別条はなかった。

「いつ崩落するか、いつも気がかりだった」、でも…