吉野家HD、今期11億円の最終赤字予想 人件・原材料費上昇

決算発表会見で事業方針を説明する吉野家HDの河村泰貴代表取締役社長=5日、東京都中央区
決算発表会見で事業方針を説明する吉野家HDの河村泰貴代表取締役社長=5日、東京都中央区【拡大】

 牛丼大手の吉野家ホールディングス(HD)が5日発表した平成31年2月期連結業績予想は、最終損益が当初17億円の黒字から11億円の赤字に転落した。吉野家での販売は前年の水準を上回るものの、人手不足による人件費上昇や原材料価格の高騰が、収益を圧迫した。通期の最終赤字は25年2月期以来、6年ぶり。

 30年8月中間期は、売上高が前年同期比2・7%増の1003億円、本業のもうけを示す営業損益が97・4%減の5500万円の黒字。最終損益は当初の14億円の黒字予想から、8億円の赤字に転落した。

 コスト増に加え、ステーキ店などを手掛ける傘下の「アークミール」の既存店売上高が、競争の激化で低迷したことも響いた。

 同日、東京証券取引所で会見した河村泰貴社長は「(手間のかかる)鶏肉メニューの休止や、既存店よりも利益率の高い新業態店への転換を本格化し、(32年2月期の)黒字転換を目指す」と語った。