KYB、検査データで不正 免震・制振装置986件で改竄 (1/2ページ)

 油圧機器メーカーのKYBは16日、地震の揺れを抑える免震装置と制振装置で性能検査記録データを改竄(かいざん)する不正をし、全国のマンションや病院、庁舎など986件の建物に設置していたと発表した。不正があった装置は取り換えるが、一部の建物では交換の際に一時的に利用できなくなる可能性がある。国土交通省は不正な装置が使われた建物が震度7程度の地震で倒壊する恐れはないとしている。

免震装置などの検査データ改竄に関する記者会見で、謝罪するKYBの中島康輔社長(右から2人目)ら=16日午後、東京都千代田区

免震装置などの検査データ改竄に関する記者会見で、謝罪するKYBの中島康輔社長(右から2人目)ら=16日午後、東京都千代田区

 KYBの不正を受け、国交省は免震装置のメーカー88社を対象に、検査データの改竄がなかったかどうかを一斉調査する方針を明らかにした。年内に報告を求める。

 KYBが不正をしていたのは、油の粘性を利用して建物の揺れを少なくするオイルダンパーで、免震用と制振用の2種類。不正な装置が取り付けられた建物は免震用が903件、制振用が83件に上る。免震用は過去にKYBの装置を採用した全ての建物の約86%で、制振用は全体の約23%でそれぞれ不正があった。

 国交省によると、免震装置の性能について、メーカー側が国の認定基準の範囲内に収まっているように検査データを改竄して出荷していた。

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