科学技術

仮想通貨バブルの崩壊を尻目に着々と進化、基盤技術「ブロックチェーン」の今 (1/3ページ)

 仮想通貨のバブルは弾け価格は低迷しているが、その基盤技術であるブロックチェーンは、仮想通貨の枠を越えて活用への取り組みが進んでいる。それだけブロックチェーンに可能性を見出している人が多いということだ。中には、インターネットに匹敵する技術だと話す人もいる。

 ブロックチェーン技術の総合スクールを運営するFLOCが丸の内にイベントスペースをオープンさせた(丸の内にブロックチェーン専門の無料イベントスペース「丸の内バカンス」登場)記念セミナーで、ビットバンク(東京都)の廣末紀之CEOと、オープンソースの分散型元帳を開発するR3(米ニューヨーク)の日本での事業運営を統括する山田宗俊氏が講演を行った。

 ブロックチェーンはお金のインターネットなのか?

 廣末:金融システムは金融機関が仲介する。見ず知らずの相手にデジタルで何かを送るのは非常に難しい。メールアドレスだって本当にその人のものか分からない。仮想通貨の技術は、相手が誰かということを信頼しなくても伝達できる。相手を信頼する必要がないことが特徴だ。

 インターネットが登場する前は、個人がメディアになることは不可能だった。情報収集はマスコミが中心だった。これからは(ブロックチェーン技術を使えば)個人が自分たちの価値の発行ができるようになる。銀行とか金融機関とかの特権者から、民間に権限が委譲されていく。情報(を民主化したの)がインターネットであれば、金融(を民主化するの)がブロックチェーンだ。

 山田:(ブロックチェーンは)「価値のインターネット」とよく言われるが、どういう意味か? 現金の手渡しと電子メールという例を使って話したい。現金の手渡しの良さは、1000円札にゼロを一個足して1万円ですといったらすぐ分かること。改ざんが難しい。渡してしまうと手元から現金がなくなるので、二重渡しが難しい。これが現金の特徴。

 (一方)電子メールは、好きな金額を書いて送ることができる。ccに友達を入れて複数人に送ることもできる。でも電子メールの良さは、瞬時に情報を届けることができることだ。

 現金の良さと電子メールの良さを兼ね備えているのがビットコインの良さ、ブロックチェーンの良さだ。

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