【ビジネスアイコラム】露極東の親日派有力市長が辞任 浮上する地方と中央のいびつな関係 (1/3ページ)

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 ロシア極東の著名実業家で、親日派として知られるウラジオストク市のビタリー・ベルケエンコ市長が昨秋、辞任した。汚職問題への取り組みや、経済改革での手腕が期待されたが、在任期間は1年にも満たなかった。突然の辞任劇からは、ロシアが抱える中央と地方政界のいびつな関係が浮かび上がる。

 ベルケエンコ氏は極東の有力自動車ディーラー「スモウトリ・テフノホールディングス」の社長として、極東で広く知られた存在だ。スモウトリは当然日本語の「相撲取り」が由来で、日本の国技に伝わる深い精神性や技術にひかれた同氏が名付けたという。2016年、記者が同社を訪れた際には、カフェのような明るい店内と、店頭に飾られた力士の立派な像が印象的だった。

 ベルケエンコ氏は日本車の中古車販売から身を立て、その後手厚いアフターサービスなど従来のロシアにはない業態でビジネスを拡大した。現在は新車販売のほか、市郊外でサーキット建設事業を手がけるなど、“攻め”のビジネス展開で海外でも注目された。

 同氏がウラジオストク市長に就任したのは17年12月のことだ。前任のプシカリョフ市長が16年6月、職権乱用容疑などで逮捕されていた。深刻な腐敗問題が指摘されるウラジオストクでは、3代の市長が退任後を含め続けて摘発されるという異常事態となっていた。

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