新天皇即位のパレード車、トヨタの「センチュリー」 安全・環境性能を評価、5社から選択

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 政府は17日の式典委員会で、10月22日に新天皇が即位を国民に披露するパレード「祝賀御列の儀」で使うオープンカーをトヨタ自動車の「センチュリー」に決めた。安全・環境性能の高さに加え、儀式終了後の有効活用や日常の保守管理が容易だとして、計5社の中から選ばれた。

 現在市販中のセンチュリーをオープンカーに改造し、天皇旗や菊の紋章を取り付ける。調達費は、2018年度第2次補正予算案と19年度予算案に盛り込んだ計8000万円以内に収まる。

 センチュリーの他に候補となったのは(1)日産「シーマ」(2)ホンダ「レジェンド」(3)英国のロールスロイス・モーター・カーズ「ドーン」(4)ドイツのダイムラー「メルセデス・ベンツS560カブリオレ」。

 皇位継承式典事務局は昨年12月から3回にわたって内部で選考を重ね、ドイツのBMWを含む6社にオープンカーの製造を打診した。BMWからは提案がなかった。

 トヨタは「より良い車を提供できるように努力します」とコメントしている。現行型センチュリーは昨年6月に21年ぶりの全面改良で登場したばかりの3代目。熟練の技術者が塗装を手掛けるなど「匠の技」をふんだんに取り入れ、子会社のトヨタ自動車東日本の東富士工場(静岡県裾野市)で生産している。市販車のメーカー希望小売価格は1960万円。