信長の安土城が復元? 「千載一遇のチャンス」も費用・設計図どうする (2/3ページ)

安土城のあった安土山一帯。滋賀県が天守復元の検討を始めた=滋賀県近江八幡市
安土城のあった安土山一帯。滋賀県が天守復元の検討を始めた=滋賀県近江八幡市【拡大】

  • エレベーターの設置問題で揺れる名古屋城
  • バチカンのサンピエトロ広場で手を振るローマ法王フランシスコ(ロイター)

木造復元ブーム

 また近年、各地で老朽化した城郭の改修にあたり、木造での復元を検討するケースが相次いでいることも要因の一つだ。

 名古屋市は、老朽化した現在の鉄筋コンクリート製の名古屋城天守を解体し、木造で復元する計画を進めている。建築基準法上、文化財など木造の大規模建築が可能になったことに加え、外観だけでなく内部も木造とする「本物志向」のニーズが高まっていることが背景にあるとみられる。

 このほか、松前城(北海道松前町)や高松城(高松市)も木造復元が検討されている。こうした動きに、文化庁は改めて城の天守復元のあり方を話し合う有識者会議を立ち上げ、新たなルールづくりの模索を始めている。

詳しい史料なし

 それでも安土城の場合は、木造、鉄筋コンクリートのいずれの構法でも大きな課題がある。

 一つは先述の通り設計図など史料がなく、史実に基づいた正確な構造が不明なこと。城郭の多くは国の文化財に指定されており、復元工事にあたっては国の許可が必要。城跡が国の特別史跡に指定されている安土城も同様で、許可を得るには詳しい史料が必要になる。

 名古屋市名古屋城総合事務所によると、名古屋城は江戸時代につくられた詳細な構造の記録のほか、昭和の実測図や写真などが豊富に残されているが、それでも復元に際しては慎重な検討を求める声が上がっている。

 安土城の場合はどうか。当時日本を訪れていたイエズス会の宣教師、ルイス・フロイスの著書「日本史」の中で、7つの層ごとに色分けされ美しい瓦で覆われた天守の様子が描写されているが、詳細な構造を記した史料は見つかっていない。

 また信長が城と城下町の様子を詳細に描かせたという「安土山図屏風(びょうぶ)」がローマ法王に献上されたとの記録があり、滋賀県は昭和59年にバチカンに調査団を派遣したが、発見には至らなかった。

「どこにそんな金があるんだ」