【ニュースを疑え】元号と西暦「面倒に意味あり」 思想家、内田樹氏に聞く (4/5ページ)

内田樹氏=神戸市東灘区(南雲都撮影)
内田樹氏=神戸市東灘区(南雲都撮影)【拡大】

  • うちだ・たつる『日本辺境論』(平成21年)など幅広く評論を展開する思想家、武道家∥神戸市東灘区(南雲都撮影)
  • 内田樹氏=神戸市東灘区(南雲都撮影)
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 「困るのは公文書です。大学の文書は文部科学省の指示らしく、『平成32年』なんていう存在しない年号が記されている。元号に対する敬意も愛着も感じられない。何か元号の意味を勘違いしているんじゃないですか」

 中国は円、日本は楕円

 --日本の元号は天皇との関係が深い

 「天皇制と立憲デモクラシーは政治原理としては食い合わせが悪いと思います。でも、由来の全く異なるもの、機能を異にするものが併存している方がシステムとして安定的だし、健全だと思います。ミトコンドリアだって、バクテリアと真核細胞という異物が共生してできたわけでしょう。出自や生命原理が異なるものがたまたま同じ場所にいて、助け合って暮らすというのは生物にとって当たり前のことなんです」

 「医療現場で一緒に働くドクターとナースだって、起源は違います。ナースは癒やしの経験知を伝える技能者で、ドクターはヒポクラテス以来、臨床と観察に基づく自然科学者です。この2つの異なる治療原理が共生していることで近代医療は成立している」

 --面白いたとえです

 「天皇制と立憲デモクラシーの共生は統治形態としてはかなり安定的なものだと思います。統治システムが揺らいだ時には、おそらく天皇制が復元力を発揮するでしょう。もし、今後日本国民が政治的に深く分断されることがあったとき、国民再統合のためおそらく天皇制が決定的な働きをすることになると思います」

 --日本は元号を中国から導入したが、中国はもう使っていません

国情に「合わない」