韓国でCOP12開催 「愛知目標」達成に一層努力を

2014.10.20 06:00

 国連の生物多様性条約の第12回締約国会議(COP12)が韓国・平昌(ピョンチャン)で6~17日、開催された。会議では生物多様性の維持に向けた「愛知目標」の進捗(しんちょく)状況の点検が主要議題の一つになった。会期中に発表された愛知目標の中間評価では、目標に掲げられた20項目のうち、「達成にめどがついた」と評価されたのは3項目にとどまり、各国による一層の取り組みを促した。

 2010年に名古屋市で開かれたCOP10は、20年までを目標年とする愛知目標を採択した。愛知目標は生態系、種、遺伝子の多様性を「生物多様性」の具体的な内容と定義。その上で、各国に包括的な対応を求めた歴史的な合意となった。

 今年のCOP12は、目標年までの折り返し点にあたる。そのため実施された中間評価で「達成できる見込みだ」と評価されたのは、「陸域および内陸の水域の少なくとも17%が保護されている」「国内法と調和のとれた形での名古屋議定書の運用」などの3項目だけだった。

 残りの17項目は、「一層の努力をしない限り目標年までには達成できない」「大きな進捗がない」などの評価だった。

 愛知目標はCOP10で日本が採択に尽力したもの。それだけに、環境省は「日本も含め各国が取り組みを加速する必要がある」(生物多様性施策推進室)としている。

 もっとも、COP12の期間中に、疾病治療薬に使われる薬草などの「遺伝資源」の公正・公平な配分をルール化した名古屋議定書が、規定の50カ国が締結したことで発効した。日本は未締結で、環境省は早期締結に必要な調整作業を進めている。

 一方、日本政府は14日、COP12の会場で、愛知目標の達成に向けた努力を呼びかけるイベント「国連生物多様性の10年の日」を開いた。

 国連や各国から環境問題の関係幹部ら約120人が参加。日本やドイツ、中国の取り組み事例が紹介され、政府や企業などの関係者が交流を深めた。

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