新幹線の台車亀裂、製造不良の台車167台 1年以内に交換、製造元の川重「費用は負担」

2018.3.5 16:24

 昨年12月に運行中の博多発東京行き新幹線「のぞみ34号」(N700系)の台車に破断寸前の亀裂が見つかった問題で、台車枠の鋼材が強度の基準値(厚さ7ミリ以上)に満たないなど製造不良の疑いがあるものがJR西日本、JR東海あわせて計167台に上ることが5日分かった。製造元の川崎重工業は全額費用負担し、1年以内に交換する方針を示した。

 川崎重工業によると、今回のトラブルは、製造過程で台車枠を溶接する際、溶接部分の鋼材を削りすぎて強度不足となり、「疲労破壊」を起こしたのが要因だとされる。

 同社が平成19~22年に納入したN700系の台車のうち、鋼材が基準以上に削られていたのは、JR西日本に納品されたものでは亀裂が生じた台車を含めて計101台。中には、厚さが亀裂が生じた台車(4.7ミリ)よりも薄い4ミリしかないものもあったという。

 また、超音波探傷検査で台車に傷があったものも16台確認された。

 一方、川崎重工業によると、JR東海でも、基準を超えた削りすぎの台車が46台あり、このほか、新たに4台で傷があるものが見つかったという。

 川崎重工業は、削りすぎと傷が見つかるなどした製造不良が疑われる計167台の交換費用を「負担する」との認識を示した。同社によると、これまでに交換したのは、JR西については20台のみで、JR東海分も含め、1年以内に作業を終えるとしている。

 作業終了までの間は、JR西は、45日または走行6万キロごとに実施する「交番検査」に合わせた超音波探傷検査で、台車の状態など安全性を確認しながら運行を継続させるとしている。

 ただ、どの車両に問題の台車が使われているかなどについては、JR西は「(ダイヤ上)複雑で(乗客に)公表するのが難しい」としている。

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