2018.6.13 08:16
愛媛県今治市の海禅寺副住職、薬師寺寛邦さん(39)が般若心経の読経とポップスを組み合わせた楽曲「般若心経」のCDを発表し、同時に動画サイト「ユーチューブ」などに配信したところ、中国や台湾のSNSサイトで大ヒットとなった。
薬師寺さんは平成15年にポップスバンド「キッサコ」を結成。アルバムを多数発表し、精力的にコンサート活動を行っている。僧侶として次世代に仏教をつないでいきたいと、若者に受け入れられやすい音楽やダンスと、お経の掛け合わせを模索していた。今年5月に発表した「般若心経」は、薬師寺さんの読経を幾重にも重ねてハーモニーを紡ぎ、アコースティックギターやコンガなどの演奏を加えてポップス調に仕上げた。
動画は薬師寺さんが修行した京都市の天龍寺で撮影。庭園を背景に読経する薬師寺さんと畳の上でヒップホップダンスを踊るダンサー、ワイリー・理恩さんの姿が入れ替わりながら映し出される。
「新しい形を追求することはとても難しいが、歴史や伝統を大切にしながら仏教の形も変わっていかなければならないと考えました」と薬師寺さんは話す。
般若心経のLIVE動画の発表後、たちまちユーチューブで120万回再生され、台湾のフェイスブックで160万回、中国のSNSで1400万回再生されたという。
国境や民族を超えた大きな反響に、薬師寺さんは「般若心経はつながりのお経。日常の中で多くの人たちが般若心経に向き合う時間となれば幸いです」と話した。
薬師寺さんは全国でライブ活動を行っており、県内では16日、松前町の松前総合文化センターで開催する。