勉強しても平仮名覚えられない…泣いている男の子に先生が授けた秘策『なまけてなんかない!ディスレクシアの男の子のはなし』

児童書
『なまけてなんかない!ディスレクシアの男の子のはなし』

 似た形の文字を書き間違えたり、読み飛ばしたりしてしまうなど読み書きがスムーズにできない学習障害の一種、ディスレクシア。文部科学省が平成24年に行った調査では、読み書きや「聞く」「話す」などの学習面で著しい困難を示す小中学生は4・5%、40人学級に1~2人いる計算だ。

 本書の主人公、小学校に入学したばかりのりんぞうも、頑張って勉強するものの、平仮名をちっとも覚えられない男の子。担任や親に叱られ、大好きだった幼稚園の先生に「おれ、ばかだぁ じ わからないよう」と泣きながら打ち明けると、先生はりんぞうのために「ひみつのとっくん」を始めるのだった。

 知的な問題はないため努力不足と誤解されやすいが、「なまけてなんかないぞ!」というりんぞうの叫びに気づいた幼稚園の先生が学び方に工夫をこらしたように、周囲の大人が子供たちが抱える困難にいかに早く気づき、適切な支援ができるかが重要となる。誰もが生きやすい社会になるための手がかりとなる絵本だ。(品川裕香作、北原明日香絵/岩崎書店・1500円+税)(木ノ下めぐみ)

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