畳めるヘルメットが進化、非常食にブランド品 防災に役立つ製品いろいろ

 
上部を持ち上げ回転させて元に戻し薄くするトーヨーセフティーの「MOVO」

 台風や豪雨による風水害が頻繁に起こり、東日本大震災や熊本地震のような大型地震の発生も予想される日本では、災害への備えが集団でも個人でも必須となっている。7月に東京ビッグサイト(東京江東区)で開かれた展示会、第11回オフィス防災EXPOには、災害から従業員や地域住人の安全を守りたい企業・自治体、自分の身を守りたい個人に役立つ製品が並んでいた。

 地震で揺れる屋内外で、落下物から頭を守るために威力を発揮するのがヘルメット。従業員用に備えておく企業も増えているが、たいていのヘルメットは厚みのあるドーム型をしているため、保管場所に苦心しているところも少なくない。そうしたニーズに応えたものとして、オフィス防災EXPOで注目を集めていたのが“畳める”ヘルメットだ。

 厚さが8センチになるヘルメット

 左右から潰すと、厚さが8センチになるヘルメット「BLOOM」を以前から販売して来たトーヨーセフティー(兵庫県三木市)が、次にリリースしたのが「BLOOMII」。幅で20センチほどのものが潰すと4・5センチになるため、机の中やラックに書類などと並べて置いておけた。

 そのトーヨーセフティーは、畳むのではなく、ヘルメットの上部を持ち上げ回転させて元に戻すことで厚さを抑える新タイプの「MOVO(BLOOMIII)」を、今回のオフィス防災EXPOに出品した。「BLOOMII」程度の薄さにはならないが、強度は保たれるため、飛来物や落下物からの保護だけでなく、墜落時の保護でも国家検定に合格している。収納性に加え工事現場でも使える安全性で、より高い安心を求めるニーズを取り込んでいく。

 上部の回転式では、谷沢製作所(東京都中央区)の「Crubo」が今年も出展されて関心を集めていた。ドーム状になったヘルメットの上半分を、引っ張り上げることなくクルリとひっくり返すことで、厚さを14センチから8センチへと縮められる。こちらも「保護帽の規格」として、飛来・落下物、墜落時保護で国家検定に合格している製品。安全性を保ちつつ薄くするアイデアの勝負は、これからも続きそうだ。

 強化ダンボールの「かぶっと」

 エフェッシェル(東京都板橋区)が出品していた「かぶっと」は、震災発生時にとりあえず頭に被って、天井や棚の上などからの落下物に備えながら避難するための簡易ヘルメット。素材は強化ダンボールで、火や水に耐えるようコーティングされている。「保護帽の規格」に適合したものではないが、薄い防災ずきんよりは衝撃から頭を守る働きをしそう。同社では銀行のカウンターなど人が訪れる場所に備えておき、災害発生時に来店者に被ってもらうような使われ方を想定している。

 杉田エース(東京都墨田区)が昨年から販売を始めた「MINIM+AID(ミニメイド)」も、今回の防災EXPOに出展されて目を引いていた。避難所に行くまでの自分を守るために必要な品が、直径5センチの筒に収納された防災セット。筒には4つのパーツが入っていて、1つめはランタンや懐中電灯として利用できる。2つめは中空のケースで、中に自分が必要とするアイテムを入れておける。

 3つめはラジオで、ハンドルを手で回して充電できる。ランタンやスマートフォンなどに充電するための電源としても利用可能。4つめの筒にはビニール製のポンチョがはいっていて、取り出した後は水筒として使える。佐藤オオキ氏が代表を務めるデザインオフィスのnendo(東京都港区)が手がけただけあってスタイリッシュ。企業や団体がノベルティとして購入し、配布するような事例も増えているという。

 永谷園と共同開発したフリーズドライ

 非常食といえば保存性が第一で、味は二の次といった考え方が以前はあった。今は多くの企業がおいしさを追求し、アレルギーへの配慮なども行っている。河本総合防災(神奈川県相模原市)では、お茶漬けブランドで知られる永谷園と共同開発したフリーズドライのご飯を販売。味は炊き込み五目やチャーハン、カレー、ピラフなどがあり、お湯なら3分、水でも5分で戻して食べられる。

 アレルギーを引き起こすアレルゲンの特定27品目を使用していない災害備蓄用のフリーズドライご飯も販売。不特定の人たちに配布するような場所では、もらい手にもアレルギーを持った人が出てくるため配慮が必要。そうしたニーズに応えた品だ。ブランド性では江崎グリコが「ビスコ」を減圧状態で密閉し、5年3カ月保存可能にした「保存用ビスコ」を提供。普段から食べ慣れた味を、いざという時でも口にできる安心感でアピールしていた。

 長期保存食を多く販売する尾西食品(東京都港区)が出して来た「尾西のライスクッキー」は、クッキーと言いながら材料は米粉で、小麦や乳・卵は使われていない。それでいて味はおやつとして食べるクッキーと変わらないおいしさを持っている。アレルギー物質27品目不使用で5年の保存が可能。「尾西のライスクッキー いちご味」は幼児期の食物アレルギーに多くみられるナッツ類も使われていない。日頃から子供に与えるおやつとしても利用できそうだ。

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