昨年度の神奈川県川崎市 全地点で基準値下回る 大気環境改善で初達成

PM2・5

 神奈川県川崎市の大気環境の改善が進んでいる。市がまとめた平成28年度の大気環境調査では微小粒子状物質「PM2・5」の測定値が、市内全14カ所の測定地点で、国が定める基準値を下回った。全地点での達成は、2地点で測定を開始した22年度以降初めて。車の排ガスなどに含まれる二酸化窒素(NO2)濃度も2年連続で全地点が基準値を下回った。一方で光化学スモッグの原因となる光化学オキシダントは全地点が基準を上回るなど課題も残る。(外崎晃彦)

 PM2・5濃度の基準達成について市環境局は「工場や企業の環境対策や規制に適合するディーゼル車の導入が進んだため」と分析。その上で「高濃度になりやすい夏に雨が多かったことも一因」としている。

 ■今年度も達成期待

 測定地点は市内の主要道路沿線など14カ所。国の基準では、1年の平均値が15マイクログラム以下、1日の平均値が35マイクログラム以下(いずれも1立方メートルあたり)が、人体に望ましいとしている。

 基準達成は26年度が14カ所中2カ所、27年度は11カ所にとどまっていた。市大気環境課の中村弘造課長は「今夏も雨が多く、濃度は低い数値で推移している。29年度も達成が期待できそうだ」と話し、市内の大気環境は改善傾向という認識を示した。

 一方、光化学オキシダント濃度は市内全9局ともに環境基準(昼間の1時間の値が0・06ppm未満)を達成できなかった。年平均値は昭和61年度以降、微増傾向だったが、近年は横ばいで推移しているという。

 ■引き続き対策推進

 基準値の2倍(0・12ppm)以上で発令する光化学スモッグ注意報は、24年2回▽25年11回▽26年6回▽27年9回▽28年4回。今年は4日までに計4回発令している。

 京浜工業地帯の中核として発展してきた同市は、工場の排煙やトラックの往来などによる大気汚染で住民が苦しんできた歴史がある。

 中村課長は「横浜など他市に比べると川崎の空気はまだクリーンとはいえない。PM2・5の基準達成は環境改善の一歩としたい」と話し、引き続き企業などと対策を進めていく方針だ。

 ■PM2・5大気中に浮遊する物質のうち、2・5マイクロメートル以下のものを呼ぶ。工場などから直接排出されるものと、大気中の化学反応で生成されるものがある。粒子が小さく、肺の奥まで入りやすいため、健康への影響が懸念される。

 ■光化学スモッグ 光化学オキシダントを主成分とするスモッグで視界が低下する状態。頭痛やめまい、吐き気など健康に影響を及ぼすことがある大気汚染の一種。夏の気温が高く風の弱い日に発生しやすい。

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