新たな「買う理由」を生み出すフレームワークを解説

著者は語る
本田哲也氏

 □ブルーカレント・ジャパン社長・CEO 本田哲也氏

 ■常識を変え、新たな「買う理由」を生み出す

 本書は、2009年に執筆した「戦略PR」(アスキー新書)の最新刊です。「なぜ、あの商品は急に話題になったのか」「どうすれば人の購買行動は変わるのか」、国内外の最新事例を交えながらそのフレームワークを解説させていただきました。

 「戦略PR」から8年がたち、今回執筆に至った背景には「情報環境の変化」と「グローバル視点」の2つがあります。情報環境の変化については、ソーシャルメディアの登場が大きく関係しています。それまで限られた時間に限られたメディアからしか取得できなかった情報が、自分の関心や好みで選別し、いつでも、どこでも入手できるようになりました。

 その結果、情報の発信者と受け手の関係が変わり、情報取得の自由度が飛躍的に変わりました。われわれの情報消費スタイルが変わったことで、広告やPRのあり方も変わってきたのです。

 一方のグローバル視点については、グローバライゼーションが進み海外との情報の垣根もなくなってきました。そのため、商品を開発したり情報を発信したりする際も、常にグローバル視点で考える必要が生まれたのです。

 情報洪水と消費飽和の現代において、商品そのものの差別化は難しくなっています。類似商品があふれる中、商品やサービスそのものよりも消費者に対して「買う理由」をいかに世の中に喚起できるかが重要となっています。戦略PRを活用すれば、それまで常識だった「いいXXといえばYY」という社会常識を変え、新たな「買う理由」を生み出すことができます。

 例えば、本書で紹介しているプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の洗濯洗剤「アリエール」はそれまで社会常識であった「いい洗剤」の定義を、「白く洗いあがること」から「除菌効果」へとひっくり返すことに成功しました。

 広告やマーケティング関係者だけでなく、多くのビジネスパーソンにぜひ読んでほしい1冊となっています。(1728円、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

【プロフィル】本田哲也

 ほんだ・てつや 1970年生まれ。戦略PRプランナー。1999年、世界最大規模のPR会社、フライシュマン・ヒラードの日本法人に入社。2006年、ブルーカレント・ジャパンを設立し代表に就任。米誌PRWeek「世界でもっとも影響力のあるPRプロフェッショナル300人」に選出された。今年6月の「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」ではPR部門審査員。

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