若年性認知症発症後は計約7割が「退職」「解雇」 “認認介護”も顕在化

 

 認知症患者の就労のあり方をめぐっては、国内では手探りの状況が続いている。中でも、65歳未満で発症する「若年性認知症」の人々をどう支えていくかは大きな課題だ。

 平成26年度に認知症介護研究・研修大府センターが行った若年性認知症の生活実態調査はその一端を示している。本人や家族から回答のあった383人を詳細に分析した結果、発症時に就労していた221人のうち、66・1%が仕事を「退職した」、7・7%が「解雇された」と答えた。

 世帯の主な収入は「家族の収入」が約5割を占め、「本人の障害年金など」(34・5%)に頼らざるを得ない実態も浮き彫りに。家計状況は「とても苦しい」「やや苦しい」を合わせると約4割に達した。

 24年時点で約462万人と推計される65歳以上の認知症高齢者やその家族への支援体制構築も急務だ。

 厚生労働省の国民生活基礎調査(28年)によれば、介護が必要な65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、介護をする人も65歳以上である「老老介護」世帯の割合は54・7%。同居する主な介護者が介護に要している時間をみると、「ほとんど終日」が要介護3以上で30%を超え、要介護5では54・6%に達した。

 認知症の人が認知症の人をみる「認認介護」も顕在化しつつある。この言葉の名づけ親とされる「たかせクリニック」(東京)の高瀬義昌理事長は、「認認介護世帯になると『困っている』という状況の発信すら難しくなる。通常の生活を維持できず、衛生管理もままならない環境に置かれて、別の病気の発症や事件・事故に遭遇するリスクが高まる。社会全体で認知症に関する理解を深め、患者の孤立化を防ぐシステムを早急に整えなければいけない」としている。