ランドスキップ、動画配信サービスで「風景」流通 心のケアや購買促進に効果

 
会議室にかけられたランドスキップのバーチャルウィンドウと、同社の下村一樹社長

 目の前を横切るのは首都高速の高架橋。その向こうには果てることがないように立ち並ぶビル-。シラカバ林が美しい北海道の田園風景の中で子供時代を過ごし、就職のために上京した下村一樹氏は、マンションの窓から望む景色に絶句した。「風景によって、こんなに生きづらさ、働きづらさを感じるのか」

 風景を流通させることで心癒やされる環境をつくりたいと、下村氏は2015年6月1日の「景観の日」にLandSkip(ランドスキップ、東京都港区)を創業し、4K撮影された風景動画の配信サービスを提供している。風景を映し出す大型スクリーン「バーチャルウィンドウ」は、成田空港のビジター・サービスセンター(外国人訪日客向けの案内所)やアンテナショップ、高級老人ホームなどで導入されている。

 風景動画は、富士山のような名所だけでなく、雪景色や郷愁を誘う田舎風景など2000コンテンツ以上をそろえる。定点から捕らえた動画で、風に枝葉や水面が揺れたり、雪や桜が舞い落ちるといった動きがあり、実際に窓から景色を眺めるような映像が映し出される。

 用途や時間帯、季節に合わせて適切な動画を配信することも可能。例えばアンテナショップでは乳製品フェアに合わせて乳牛のいる風景を映せば、購買を促す効果が見込める。談話室にバーチャルウィンドウが設置された高級老人ホームでは、入居者の心のケアだけでなく、懐かしさを感じさせる風景動画をきっかけに入居者の間で会話が生まれ、介護スタッフの業務軽減につながっている。

 オフィスでは生産性の向上が見られる。窓がない会議室、窓がある会議室との比較実験ではバーチャルウィンドウを設置した会議室での生産性が最も高くなった。脳の血流が増え課題への回答数も多かった。一定時間で風景が切り替わることが、脳への適度な刺激になるという。

 壁だけでなく、天井への風景配信も目指し、医療施設、とくに患者が寝た姿勢を長くとる検査室に、青空や星空を映し出すことを考えている。

 法人向けではタワーマンションのモデルルーム向けに景色を配信するサービスも構想中だ。建設予定地にドローンを飛ばして各階ごとに360度撮影し、物件からの景色を再現する仕組み。下村社長は、導入件数を増やすよりも事例の幅を広げ、効果を上げるのが当面の目標と話した。

【会社概要】ランドスキップ

 ▽本社=東京都港区北青山3-5-6 青朋ビル2階

 ▽設立=2015年6月1日

 ▽資本金=500万円

 ▽従業員=9人

 ▽事業内容=風景映像配信サービス、バーチャルウィンドウの提供、コンテンツ制作

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