国のがん対策基本計画、「受動喫煙目標」先送りへ

 
がん対策推進基本計画の目標

 国のがん対策の方向性を定める「第3期がん対策推進基本計画」が、受動喫煙防止の目標値が盛り込まれないまま閣議決定される見通しとなったことが22日、関係者への取材で分かった。受動喫煙対策を推進する健康増進法改正の見通しが立たないためで、改正法案を踏まえて改めて目標値などを閣議決定する。

 ただ、衆議院解散の動きを受けて関連する与党の了承手続きの日程が流動的となっており、閣議決定は遅れる可能性もある。

 受動喫煙の目標値をめぐっては、計画策定に向けて議論してきた厚生労働省のがん対策推進協議会が「2020(平成32)年までにたばこの受動喫煙をゼロとする」との方針で一致。この方針を盛り込むには健康増進法との整合性を取る必要があるが、同法改正案は先の通常国会で厚労省と自民党の調整が難航して提出できなかった。

 基本計画はがんの克服を目指すことを全体目標に掲げ、(1)がんの予防と検診の充実(2)がん医療の充実(3)がん患者が安心して暮らせる社会の構築-を3本柱に施策を進めることとした。対策が遅れがちだった思春期・若年成人(AYA世代)や増加する75歳以上の高齢患者への対策についても初めて言及。実行期間は今年度から6年間で、国の計画を受けて都道府県も今年度中に基本計画を策定する必要がある。本来は今夏に閣議決定される予定だった。

 受動喫煙の目標は、がんを予防するための取り組みとして、禁煙支援や飲酒量低減、食生活などの生活習慣改善とともに盛り込まれる方針だが、当面は見送られる。

 閣議決定するに当たっては自民、公明両党の了承が必要となるが、衆院解散の動きを受けて厚労部会などの日程が流動的なため、さらに遅れる恐れがある。