長谷川雅彬氏「自分が信じていることを疑う勇気」

著者は語る

 □ブランディング戦略アドバイザー・作家 長谷川雅彬氏

 ■挑戦を後押し 日本の潜在能力引き出す

 私はいま、スペインに住んでいます。戦略デザインコンサルティング企業、エレトレスのアドバイザーやロシアのカリグラフィー現代博物館の“大使”を務める傍ら、そこで得た知識や経験などをもとに、クリエーティビティーについてスペイン語と英語で書籍を書きました。今回日本で刊行した本書は、その日本語版にあたるものです。しかし、その内容は少し違います。

 海外から見ると、現在の日本は現状維持にエネルギーが注がれています。若い世代も含め、新しいものに挑戦することに消極的に思えるのです。そこで、日本で出版した本は、自分の経験などを加味したメッセージ性の強いものにしてあります。

 日本人には競争力があると思います。一人一人は知識も多く、能力がある。学術や企業経営、スポーツなど、さまざまな分野で世界的に活躍している人もいます。しかし、多くの日本人は自分の将来や未来について自信をもっていない。やりたいと思うことがあっても、実際に挑戦する人は多くありません。

 これは、日本にそういった挑戦を後押しする文化がないからだろうと思います。本書は日本人のそういった点を含め、モノの見方にフォーカスしました。

 一人一人が持っているポテンシャルを生かし、個々人が抱いている夢や目標を実現する可能性を1%でも高めるにはどうしたらいいのか。そのための考え方を紹介しています。

 若い人にぜひ読んでいただきたい。とはいえ、若い人だけを想定して書いたものではありません。30、40代で転職するなど、新しい世界に飛び込もうとしている人、60代でリタイアし新たな生活を始めた人、転機を迎えた多くの人にとって、参考になれば幸いです。

 日本では挑戦しない理由として、なぜできないかを列挙する傾向がありますが、本来は逆です。やってみないとわからないことも多い。特に他人がやっていないことは全てそうです。実現可能性を考え、その可能性を高める行動をする。過去を前提に未来を考えるのではなく、未来の可能性から自分を考える方向に転換できれば、日本の潜在能力はきっと引き出されます。(1404円 きこ書房)

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【プロフィル】長谷川雅彬

 はせがわ・まさあき 立教大経営学部卒。卒業後は大和証券キャピタル・マーケッツ(現・大和証券)で投資ストラテジストとして勤務。その後、スペインのIE大学で日本人初のビジュアル・メディア・コミュニケーション修士号を取得し、イスラエルでソフトウエア会社のチーフエバンジェリストとして勤務。現在は、スペインの戦略デザインコンサルティング企業、エレトレスのアドバイザーを務める。