『森の探偵 無人カメラがとらえた日本の自然』宮崎学、小原真史・著

書評

 ■知られざる野生動物を撮影

 写真家の宮崎学氏は、1970年代から自作の無人カメラで知られざる野生動物たちの姿を撮影してきた。動物が利用するけもの道にカメラを仕掛け、わな猟のように姿を写真に収めるのだ。半世紀もの間、日本の自然を見つめてきた宮崎氏とキュレーターの小原真史氏との対話で構成された本書は、動物の痕跡や写真から日本の今の自然を読み解くプロセスを追体験できる。

 人間と動物との共作としての獣害や、人間の経済活動と外来動物の関係、人工物をけもの道化する動物など、日常生活と森との乖離(かいり)で見過ごされているテーマが、名探偵ホームズと助手のワトソンとの対話のように展開される。(1944円、亜紀書房)

Read more