膵臓がん早期発見できるか マーカーの有効性検証へ

 

 早期発見が難しく生存率が低いがんとして知られる膵臓(すいぞう)がんについて、血液中の特定のタンパク質をマーカー(目印)にした早期の発見が可能かどうかを調べる臨床研究を、国立がん研究センターが日本対がん協会などと共同で鹿児島県で始めた。

 同センター研究所の早期診断バイオマーカー開発部門、本田一文ユニット長らはこれまでに、膵臓がん患者の血液を調べ、善玉コレステロールを構成する物質のうち「アポリポプロテインA2アイソフォーム」という一群のタンパク質の量や割合が健常者と大きく違っていることを発見した。

 平成28年までに全国の複数の医療機関と共同研究し、膵臓がんや、膵臓がんを引き起こす可能性が高い「リスク疾患」を実際に見つけることに成功。米国立がん研究所など海外の研究でも有望な結果が出て、検査キットも実用化されている。

 鹿児島県での臨床研究は、この物質を検査することで、早期膵臓がんやリスク疾患がどのぐらいの頻度で見つかるかを確かめる。

 県内の特定の医療機関で地域健康診断を受けた50歳以上の希望者を登録する。血液7ミリリットルを採取し検査結果を通知、この物質の異常が見つかった場合には、造影剤を入れるCT検査を受けてもらう。有用性を科学的に証明するのに必要な5000~1万人の登録が目標で、鹿児島県以外への拡大も検討する。

 臨床研究は30年度までの予定。費用は無料で謝礼はない。提供した血液は、この物質と発がんとの関係を明らかにするなど、ほかの研究の試料として使われることがあるとしている。

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