2010~15年の脳・心臓疾患での労災認定 「運輸、郵便業」が最多の464件

 
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 政府は6日、過労死等防止対策推進法に基づく「過労死等防止対策白書」を閣議決定した。2010~15年に過労死を含む脳・心臓疾患で労災認定を受けたのは「運輸業、郵便業」が最多の464件と全体の約3分の1を占め、「卸売業、小売業」が229件で続いたとの調査研究結果を盛り込んだ。精神障害で認定を受けたのは「製造業」が349件で最も多かった。

 電通の違法残業事件を受け、政府が企業に労働時間の把握やパワハラへの対応を求めた昨年12月の緊急対策も盛り込み、コラムでは味の素など働き方改革に取り組む企業を紹介した。白書の策定は昨年に続き2回目。

 加藤勝信厚生労働相は6日の閣議後会見で「過労死等をゼロにして、健康に充実して働き続けることのできる社会を実現するという使命感を持って全力で対策を続ける」と述べた。

 白書では各都道府県の労働局や労働基準監督署に保管されている、10年1月~15年3月の労災認定の資料を分析。業種別では、明確でないケースを除く脳・心臓疾患1561件、精神障害1990件を集計した。

 年齢別では脳・心臓疾患は50~59歳の労災認定が多かった。精神障害の認定事案のうち自殺に至ったケースでは男性は40代、女性は29歳以下が目立つ。

 これとは別に、過労死や過労自殺が多いとされる業種・職種のうち、トラック運転手といった自動車運転従事者と外食産業に焦点を当て、企業と労働者を対象にアンケートを実施。結果に基づき、過労死・過労自殺防止には人員の適正配置やメンタルヘルス対策が重要で、自動車運転従事者では繁忙期の12月に休日・深夜の労働を削減するよう提言した。

 また、昨年の白書でも紹介された、15~16年に企業約1万社と労働者約2万人に実施したアンケートを再集計。正確に労働時間を把握している企業は、残業時間が減少し、年休取得日数が増えているとの結果を示した。