2009.11.26 07:00
■入院患者の受け皿は? 求められる青写真
慢性疾患の高齢者らが長期入院する「療養病床」。削減が予定されるが、その凍結を掲げた民主党が政権につき、次の一手に注目が集まっている。長期療養の患者家族はとりあえず凍結に安堵(あんど)し、病院側は病床の変更を見合わせるが、先の見通しは立たない。長期療養の高齢者にどこでどんな医療と介護を提供するのか、その青写真が求められる。(佐藤好美)
◆国会中継に安堵
東京・多摩地区に住む小松恵美子さん(73)=仮名=は今月2日、思わずテレビの国会中継に見入った。長妻昭厚生労働相が衆院予算委員会で、療養病床について「入院患者が介護保険施設に移るのを見届けるまでは療養病床の削減を凍結し、法律で平成23年度末となっている介護型の廃止も猶予を含めて検証したい」と発言したからだ。
小松さんの夫、光利さん(81)=同=は療養病床に入院して6年になる。脳出血で倒れた当初は右まひ、失語でほぼ全介助。要介護度は5だった。今はリハビリの成果で、独力でベッドから車椅子(いす)へ移り、トイレに行くまでに回復した。食事も左手でスプーンを使って食べる。複雑な意思疎通は難しいが、可否は伝えられる。要介護度も3に改善した。
療養病床には「医療型」と「介護型」がある。光利さんが入院するのは、治療をさほど必要としない人向けの介護型。しかし、入院先の病院は今月、介護型の半数を医療型に転換した。23年度末の介護型廃止に向け、病院は再編を進めてきた。
光利さんは介護型に残った。医療型に移れるほど重くないからだ。「夫の居場所がなくなるのでは」と不安だった恵美子さんは長妻厚労相の発言を聞き、とりあえずほっとした。だが、現状に百パーセント満足なわけでもない。