2010.2.17 05:00
□ピースマインド総合研究所所長 臨床心理士 渋谷英雄
現在、人事担当者を最も悩ませているのが、社内鬱(うつ)とも呼ばれる「仕事にかかわる間だけメンタル不調となり、仕事以外の日常生活や趣味などでは元気」という人への対応です。
従来、課題とされたのは、主に過重労働や重責が引き金となる鬱病への対応でした。また、その様な状態へ至る人の多くは、病気の前もまじめできちょうめん、対人関係でも気配りが利き、どちらかというと実直なタイプの人でした。人事担当者としても、根気ある誠実な対応を怠らなければ本人から丁寧なレスポンスもあり、手順を踏んだ対応を進めていくことができました。
しかし、昨今、20代、30代の若年層に増加するメンタル不調は、従来型に当てはまらない鬱病で、「新型鬱」「ディスチミア(気分変調症)親和型鬱」などと呼ばれます。
従来は鬱であることを隠したがったものですが、新しいタイプの鬱は、むしろ不調であることをオープンに語り、その要因を自責でなく他責的な傾向でとらえます。
さらに休職中には、趣味や旅行などを意欲的にこなし、職場に戻ると再び元気が無くなります。現場からは「プライベートでは元気そうなのに、どうして休みが必要なのか」、極端な例になると「怠けているのか、偽鬱病でないか」という声も聞こえ、人事担当者としては、現場と本人の板ばさみになり対応に苦慮する例も少なくありません。特に従来型の鬱対処のように、休息と投薬だけでは回復に向かいにくく、改善策が見いだしにくいというのが現状といえます。