2010.2.19 10:11
土器で“縄文スープ”を作り、旧石器時代と縄文時代の違いを体験する=東京都葛飾区立鎌倉小学校(牛田久美撮影)【拡大】
小学6年生の教科書から記述がなくなっている「縄文時代」が、来年の春から約10年ぶりに復活する。縄文時代について、どのように教えるかは先生次第だった。こうした中、火をおこし、魚介やキノコで“縄文スープ”を作ることで、土器の誕生で食生活が豊かになったことを伝える小学校があると聞き、訪ねてみた。簡単に作れ、家庭の鍋でも“縄文の味”が体験できそうだ。(牛田久美)
「うんめえ!」
「わあ、アチッ、アチッ」「やったあ」。東京都葛飾区立鎌倉小学校の校庭の一角で、歓声が上がった。6年生が総合学習の授業で、板に棒をこすり合わせて火をおこしている。
指導するのは「葛飾区郷土と天文の博物館」学芸員の谷口栄さん(49)。
「今日のポイントは食文化の変化。旧石器時代は生で食べたり石焼きにしたりしていた。土器ができて、煮たり、ゆでたりして食がぐっと豊かになりました」
校庭では縄文時代と同じ製法の土器を並べ、薪をくべる。水が煮立ったら塩ダラ、ハマグリ、アサリ、シメジ、シイタケなどを入れる。調味料はなし。児童は遠巻きに、「おいしいのかな」「本当に食べられるのかなあ」。
40分後、土器は火を遠ざけても熱を保ち、食材はぐらぐら煮えていた。貝が開いているのを確認し、お椀(わん)に汁を盛りつける。児童がお碗を不安そうにのぞき込んでいると、手伝いのスタッフが砕いたクルミを「はい、仕上げ」とふり入れた。
いよいよ試食。恐る恐る汁を口にした児童から再び歓声が上がった。「うんめえ!」「おいしーい」。魚介の味とタラの薄い塩味が効いたスープで、身体も温まる。お代わりを期待し、また並ぶ子も。土器が空になると、「ええー」「もっと」とブーイングが響いた。