2010.3.11 09:33
■患者、病院ともにメリット
街角の調剤薬局で「ジェネリックを希望の方は相談を」という張り紙を見かけるようになった。厚生労働省が医療費を抑制するため、新薬より価格が安い後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及策を強化しているためだ。ジェネリック医薬品は最近、がんや心臓病などの治療現場でも広がっているという。(牛田久美)
高血圧の薬を20年以上飲んでいる社会保険労務士、金沢洋逸さん(76)=秋田県湯沢市=は昨年、価格が安いジェネリック医薬品のことを知り、主治医に相談してみた。さっそく血圧降下剤がジェネリック医薬品となり、薬代が年間で3千~4千円の節約になったという。
本当はすべての薬をジェネリック医薬品に切り替えてほしかったが、かなわなかった。「まだ後発品がない薬もあるそうです。薬代を抑えるために、なるべく早く普及させてほしい。その方が国の将来のためにも良いと思います」と、市場の拡大を心待ちにしている。
こうした慢性疾患は長期に薬を服用するため、ジェネリック医薬品にするメリットが大きい。最近は、心臓外科やがんなどの治療でもジェネリック医薬品が多く用いられている。
東京都大田区にある東邦大学医療センター大森病院心臓血管外科の小山信彌(のぶや)教授は「ジェネリック医薬品で効果が高いのは、高額医薬品である抗生物質、造影剤、抗がん剤の“御三家”です」と説明する。小山教授は平成18年まで6年間、病院長としてジェネリック医薬品導入に取り組んだ。
院内に薬事委員会を設置し、採用にふさわしいジェネリック医薬品をリストアップした。さらに、卸などの流通に在庫量は十分かなどを精査し、病院全体で導入に踏み切ったという。