2010.3.16 05:00
洋上の平井昭光さん【拡大】
□レックスウェル法律特許事務所 所長弁護士・弁理士 平井昭光
ヨットに出合っていなかったら、全く違う人生を送っていたようにも思う。どこかで海に出れば、という感覚でいた。
気が付いたら、チャレンジの連続だった。大学に入って哲学の道に挫折し、アメリカを1人で旅し、たまたま在籍していたのが法学部で、よし、いっちょ日本で最も難しいといわれている試験でも受けてみるか、と思って短答試験を受けたら受かってしまったのがすべての始まり。結局5年かかったものの司法試験に合格し、弁護士になった。そして、離婚も企業法務もなんでもこなして3年。知的財産権法とバイオテクノロジーの面白さにひかれ、所属していた事務所を退職。自費で米国のロースクールへ留学。家族を引き連れ、貯金でつなぎながら勉強した。
帰国後は大手渉外事務所で技術移転に手を染めることとなる。アメリカ留学中に知り合った通産省(当時)の課長補佐が声を掛けてくれてTLO法の制定を検討する委員会に入り、以後、日本のTLOや技術移転の促進に注力してきた。
その後、故あって、とあるバイオベンチャー企業の社長を引き受けることともなり、また、グローバル製薬企業からのカーブアウト・カンパニーの立ち上げにも関係することとなり、今度はビジネスマンとしてのチャレンジが続いている。
何でこんなにチャレンジが好きなのか。沈したディンギーのメーンセールの下で死ぬような思いをしたり、ブームパンチを際どく避けたり、しけた外洋レースのバースの下で寒く、オイル臭いバースや吐き気と戦ったり、ヨットではいつも日常のすぐ横に非日常があることを認識させられてきた。“本当に”いつ死ぬかもわからないのだ。そんなヨットがチャレンジする心を奮い立たせてくれたと思う。ヨットがあったから、ここまで来られたのだろう。そして、これからも進んで行きたい。