【新興国に翔ける】シンガポール食品業界に習うこと (1/2ページ)

2010.6.29 05:00

 □ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ代表取締役兼CEO 森辺一樹

 淡路島ほどの面積に470万人が住むアジアの近代国家シンガポール。2007年、1人当たりのGDPが3万6000ドル(約320万円)超となり、日本を抜きアジアトップとなった。人口が少ないため、市場規模は小さく、食料・飲料業界は成熟市場で伸びしろは大きいとは言い難い。そのため、シンガポールの食料・飲料関係の企業は積極的に海外への展開や付加価値商材の展開を進め、成長を維持している。

 シンガポールの食料・飲料業界の市場規模はGDPの0.7%程度を占め、直接雇用者数は約8万人で労働力全体の4%程度だ。シンガポールは資源が限られ、食品原料は主に輸入に頼り、関税が低いため国内製造業者は海外からの輸入製品との厳しい競争を強いられている。その上、内需が小さいため、国内企業はさらなる成長のために、常にASEAN(東南アジア諸国連合)を中心とした国外市場へ目を向けている。しかし、そこでも他国企業との厳しい競争下に置かれており、単純な輸出による展開のみならず、他国企業への投資と生産によるグローバルなサプライ・チェーンの構築を重要視している。

 シンガポールを代表する食品・飲料メーカーには、オラム・インターナショナル社、フレーザー・アンド・ニーブ社、アジア・パシフィック・ブルワリー社などがある。オラム社はシンガポールの農産物商社だ。ココアやコーヒーなど農産物や調味料を中心に、幅広い食品サプライヤーである。世界に7500人以上の従業員を抱え、売上高は、37億ドル規模。低コストの国・地域で生産、加工し、世界各国に輸出するという一貫したサプライチェーンを持っていることが強みだ。

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