「年齢で区分しない医療保険」を旗印に、政府が平成25年度の実施を目指す「高齢者のための新たな医療制度」。まとまった中間報告案によると、高齢者の独立した保険はなくなり、高齢者も国民健康保険(国保)か被用者保険に加入する。国保に移る高齢者の保険料は、特例措置の扱いにもよるが、負担に大きな増減はない見通しだ。(佐藤好美)
後期の計算式継続
新制度では後期高齢者医療制度は廃止され、加入者は国保か被用者保険に戻る。ただ、高齢者の国保は都道府県単位で運営され、保険料もおおむね今の計算方法を引き継ぐ。このため、保険料負担はさほど違わないとみられる。
横浜市の男性(85)は憤慨する。「高齢者の保険料算定は都道府県単位だなんて冗談じゃない。なんとか元の安い負担に戻してほしい」という。
年金は夫婦で約400万円弱と豊かだが、後期高齢者医療制度になる前は、保険料が夫婦で約10万円と今の半額程度だった。横浜市が控除の多い人の負担が軽くなる「住民税方式」で国保料を徴収していたからだ。
しかし、新制度で男性が国保に戻っても保険料が減るとは期待しにくい。中間報告案は将来的に、現役世代も含めて国保を都道府県単位化するよう求めている。国保財政が逼迫(ひっぱく)する中、自治体が保険料の集まりにくい計算式を選ぶとは考えにくいからだ。
男性の保険料負担が国保だった時代に安かったのは、障害のある妻(83)の控除があったためだ。パートの息子(49)もおり、将来に不安が募る。「仕事のない息子の生活も負っている。負担は保険料だけではない。トータルで生活を考えてほしい」