私が住んでいる東京・杉並区は、東日本大震災で被災した福島県南相馬市(旧原町市)と平成17年に「災害時相互援助協定」を結びました。少年野球など民間スポーツで30年以上交流のあった2つの自治体が災害時には助け合うのが目的です。
それから6年。地震、津波、原発事故で「陸の孤島」になりかけていた南相馬市に杉並区が調達したバスが乗り込み、400人以上の被災者を群馬県内にある、区の民間委託宿泊施設に運んだのです。区はその避難所に保健師や臨床心理士らを派遣し、避難者の健康管理や心のケアにあたっています。
義援金募集、ボランティア、食料や灯油などの支援物資の現地送付。そして4月3日、区内の公園に避難生活中の人たちを招いたチャリティーバザーが行われました。区民から寄せられた2万点以上の品が販売され、その売上金や募金など計430万9532円が寄付されます。
自治体の取り組みは、「お役所仕事」と揶(や)揄(ゆ)されますが、ここでは人々の思いを束ね、つなげる役割を果たしています。今回、南相馬市とのつながりも区民に広く認知されました。普段はあまり感じないコミュニティーづくりの重要性が、改めて見直されているようです。
◇
小田恵子(おだ・けいこ) 局アナnet編集長。山陽放送(岡山)の社員を経て東京で起業。現在はアナウンサーの就業支援に携わっている。関西学院大学非常勤講師、おかやま晴れの国大使。
局アナnetはテレビ局やラジオ局に「局アナ」経験を持つアナウンサーのみが登録できる日本初の会員組織。転職支援やキャリアアップのコンサルティングサービスを行っている。公式サイト(http://www.kyokuana.net/douga/index.html)では、関連動画がごらんになれます