出版不況で“いきなり新作”投入 小説の主戦場は文庫に (2/4ページ)

2012.3.26 23:00

出版不況下でも堅調な文庫市場を盛り上げようと、各社は宣伝に力を入れている

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 5月の大型連休前に全国2500書店に張り出す。3年前に単行本が出た“旧作”としては異例の仕掛けだが、昨年の販売額が前年比105%という講談社文庫全体の実績も背中を押す。国兼秀二文庫出版部長は「書店で文庫の棚に直行するお客さんにとっては文庫の新刊が新刊。もう、これは(新作の)単行本の売り方ですよね」と話す。

 出版科学研究所(東京)によると、平成22年の文庫の販売金額は1309億円で、ピーク(10年)から約5%減った。ただ単行本などを含めた書籍全体はピーク時から約25%も落ち込んでおり、「文庫の健闘ぶりは際立っている」(同研究所)。今年の本屋大賞候補に入った『ビブリア古書堂の事件手帖』(メディアワークス文庫)など“文庫発”のヒット作も珍しくない。

 このため「面白いものは元気な文庫市場にどんどん出していく」(講談社の国兼さん)という認識が広がり、単行本が出てから3年をめどに文庫に収めるという出版界の慣例も崩れてきた。

鮮度が落ちやすいノンフィクションを除けば、異例の早さ

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