出版不況で“いきなり新作”投入 小説の主戦場は文庫に (3/4ページ)

2012.3.26 23:00

出版不況下でも堅調な文庫市場を盛り上げようと、各社は宣伝に力を入れている

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 集英社は3月、安田依央(いお)さんの小説すばる新人賞受賞作『たぶらかし』を単行本発売から約1年1カ月で文庫化。「4月に映像化が控えているため」だが、鮮度が落ちやすいノンフィクションを除けば、異例の早さといえる。

 ベテラン作家も例外ではない。講談社は3月に伊集院静さんの長編『お父やんとオジさん』を約1年9カ月で、昨年10月には五木寛之さんの長編『親鸞』を約1年10カ月で、それぞれ文庫化している。

 こうした“前倒し”を推し進めた書き下ろしや、雑誌連載などを単行本を経ずに出す「いきなり文庫」と呼ばれる手法も浸透してきた。集英社文庫から1月に刊行された東野圭吾さんの短編集『歪笑(わいしょう)小説』は昨年11月までに小説誌に掲載された作品を収めた「いきなり文庫」だ。

 瀧川修編集長は「『早く、より多くの読者に』という著者の意向もあった。雑誌掲載の直後という新鮮さもあって読者の反応はいい」と話す。

「いきなり文庫」を創刊35年の目玉と位置づける

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