「日本文化によほど熱心か、ビジネスがあるか。どちらにもあてはまらない普通の欧州人は日本に来ないわね」
先月、築地の寿司屋のカウンターでイタリア人女性が吐露したセリフだ。「日本に来る外国人を増やすにどうすればいいと思う?」とのぼくの質問へのコメント。彼女は仕事のために東京に短期滞在中だ。ずいぶんと外国滞在経験がある柔軟な女性だが答えは思いのほか日本に冷淡だった。
そして「5人以上の韓国人ビジネスマンと別々に会ったけど、『我々は日本を抜いた』ってそれぞれが言っている。日本の人はどう思っているの?」と聞いてくる。
「少なくても外国人観光客の数は韓国の方が多いね」とぼくは答える。
彼女は日本滞在をとても満喫しているようだが、日々の日本人とのつきあいで少々疲れている様子が窺える。「これを言えば、こういう反応がくるだろう」と思うと、そうこない。どこの国でも独自のロジックがあるが、日本の社会にあるロジック説明の曖昧さが気になるようだ。
日本のことを大好きになってくれればもちろん嬉しいが、何よりもガッカリすることが少ないと良いな、とは思う。マイナスを背負い込み過ぎるとロクなことにならない。
その翌週、あるセミナーの講師としてグローバルに進出する際の心構えについて話した際、参加者から次のような質問をうけた。