ブラック企業対策に国が“本気”　不安な若者…電話相談コール鳴り止まず (3/6ページ)

　当日は近畿の各労働局から集められた約３０人が対応。１人あたり３０分～１時間、相談内容を聞き取ったが、「あまりに電話がかかってくるので、取りきれなかった」（担当者）ほどだったという。

　同様の殺到ぶりは各地域でみられた。全国で１０４２件もの相談が寄せられたが、取りきれない件数も含めると、実際はこれより多くの電話がかかってきたとされる。

　厚労省の担当者は「予想外だった。７００～８００件ほどかなと思っていた」と、ブラック企業に対する不安の深刻さと、事態が逼迫（ひっぱく）していることに気づかされたという。

　厚労省が使わない「ブラック企業」という言葉

　対策に本腰を入れ始めた厚労省だが、実は「定義づけができない」として、“ブラック企業”という言葉は使っていない。代わりに「若者の『使い捨て』が疑われる企業」と、“単語”ではない言葉で表現している。

そもそも明らかな法令違反の疑いがない限り、厚労省が企業に踏み込むのは難しい