【くらしナビ】
大豆を丸ごと砕いて粉状にした「大豆粉」がヘルシー食材として注目されている。大豆の豊富な栄養素を効率よく摂取できるのが特徴で、いまや小麦粉と米粉に次ぐ“第3の粉”とも呼ばれる存在だという。毎日の食卓に積極的に取り入れてみてはどうだろう。(中山忠夫)
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「大豆の成分をそのまま摂取できる大豆粉は、たくさんの栄養素がぎっしり詰まった“天然のサプリメント”です」
こう話すのは、跡見学園女子大学の石渡尚子教授(食生活学)だ。古くから栄養価の高さで知られる大豆だが、食べやすいように水に浸したり煮たりすると「ビタミンB群やミネラル分が溶け出てしまいます」。きな粉も大豆が原料だが、こちらは大豆粉と違い、煎ってから粉にしたもので「熱によって壊れる成分もあります」。大豆粉であれば本来の“豆のまま”の栄養をたっぷりとれるという。
「大豆のタンパク質には必須アミノ酸がバランスよく含まれていて、タンパク質の栄養価を示す『アミノ酸スコア』の値も植物性食品の中で唯一の100点満点。骨の健康に役立つ『大豆イソフラボン』やおなかの調子を整える『大豆オリゴ糖』などの機能性成分も豊富です。ビタミンやミネラルの種類も多く、コレステロールはゼロ」(石渡教授)といった具合に“いいことずくめ”だ。