ワイン、日本の新酒も楽しもう 各地で出来たて提供の催し

2013.11.4 11:02

 秋は、「ボージョレ・ヌーボー」に代表されるようにワインの新酒のシーズン。輸入ワインだけでなく、日本各地のワイン産地からも新酒が届く季節だ。醸造所では「新酒まつり」も開かれ、出来たてのワインを楽しむ人々でにぎわっている。(佐々木詩)

 発酵段階で変わる味

 神戸市西区のなだらかな丘陵地帯にブドウ畑が広がる。その丘の上にあるヨーロッパの古城を思わせるような建物が「神戸ワイナリー」だ。一般財団法人「神戸みのりの公社」が約30年前から運営し、さまざまなワインを醸造している。

 同ワイナリーの今年の新酒解禁日は10月25日。続く26、27の2日間、「新酒まつり」が開催され、地元のワインファンや観光客らでにぎわった。会場には、8月に収穫されたブドウで出来上がったばかりの赤、白ワイン「みのり」が用意され、瓶売りのほか、コップでの販売も。来場者はその場で食事とともに楽しんだ。

 もう一つ人気を集めたのが、アルコール度3~4%の発酵途中のワイン。市販のワインは酵母を除去し発酵を止めて瓶詰めされるが、酵母が入ったままの発酵途中の状態では瓶詰めできない。そのワインを毎年この時期、ワイナリーでしか味わうことができない酒として販売しており、今年は約1千リットルを醸造し、11月30日まで限定で扱っている。同ワイナリーは「今年の出来を見てもらうワイン」という意味を込め、「新酒」を指すドイツ語「ホイリゲ」と名付けた。

 新酒まつりでホイリゲを夫婦で味わっていた同市長田区の会社員、逆井恒二郎さん(47)は「ホイリゲが出始めた9月にも飲みに来ましたが、今の方がシュワシュワしている。発酵段階で味が変わるのが分かっておもしろいですね」と楽しんでいた。

 今年のワインの出来栄えについて、醸造担当の浜原典正さんは「今年の夏は暑くて雨も少なかったため、全体的に果実味がしっかりしたワインになりました。出来は最高です」と自信をのぞかせた。

 東京、大阪でイベント

 明治初期からワイン造りが始まり、現在約80社のワイナリーがある一大ワイン産地の山梨県。日本固有のブドウ品種である「甲州」と「マスカット・ベーリーA」で造られた新酒ワインを「山梨ヌーボー」と命名している。平成20年から新酒の解禁日を設けており、今年の解禁は11月2日だ。

 山梨県ワイン酒造組合(甲府市)は解禁日当日から、日比谷公園(東京都千代田区)と阪神百貨店(大阪市北区)で「山梨ヌーボーまつり2013」を開催、同県内のワイナリーの新酒の試飲販売を行う。16、17日には甲府市でも開催され、県内37ワイナリー、60銘柄以上の新酒ワインが集まる。

 同組合は「ボージョレだけがヌーボー(新酒)ではありません。イベントに来ていただいて、好みのワインを見つけてもらえれば」と話している。

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