認知症の人の列車事故 親族への損害賠償命令で波紋 (1/5ページ)

2013.11.10 08:13

【ゆうゆうLife】

 高齢の認知症の男性が平成19年12月、線路内に立ち入って列車事故で死亡し、男性の親族が鉄道会社へ代替輸送などにかかった費用約720万円を払うよう命じられた判決が今年8月、名古屋地裁であり、関係者に波紋を呼んでいる。地域での見守りで「家での暮らし」を支えようとする住民や自治体職員からも「ショックだ」との声が上がっている。(佐藤好美)

 

 判決などによると、JR東海の線路内で列車にはねられ、死亡したのは愛知県内に住んでいた当時91歳の男性。同居の妻(当時85)は要介護度1で、横浜市に住む長男の嫁が2級ヘルパーの資格を取って近隣へ転居。通いで老々介護を支えていた。

 男性は要介護度4で認知症日常生活自立度IV。親族の代理人弁護士によると、尿意はあってもトイレの場所は分からず、着替えの際は家族が衣類を順番に手渡す状態。しかし、生活は穏やかで、男性がゴミ出しや街路樹への水まき、草取りをする際には、家族がガラス戸越しに様子を見守り、男性が故郷へ「帰る」と言い出せば、長男の嫁がいつものカバンを持たせ、男性の気の済むまで後をついて歩いていたという。

列車の遅延が第三者に起因するときは必ず損害賠償請求はする

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