代作の発覚を受け、「今までやったコンサートでの感動、もとい金も返せ」(掲示板)といった怒りの反応が大量噴出。ネット通販サイト、アマゾンのソフト商品レビューでも酷評が相次ぐなど、作品への評価も地に落ちた。だが、「『誰が作ったか』というような事に左右されず音楽そのものを評価するべきです」と、曲そのものについては別に検討すべきだとの意見も根強い。
メディアに刻む教訓
たしかに音楽自体を見れば、良いか悪いかという評価しかない。だが、良い作品が売れるとは限らないのは、音楽はもちろん小説などあらゆるコンテンツに共通する事情だ。作品が商品として流通するとき、誰が作ったかという「物語」は重要性を帯びてくる。代作や経歴の疑惑は、商品に付加された「物語」についての致命的な虚偽といえる。今回の騒動がここまで世の憤激を買ったのは、作品評価にとって「物語」がいかに大きく作用しているかの証左であるかもしれない。