【成長ニッポン】シニア派遣ビジネス広がる
会社を定年で退職した人など「リタイア世代」に働く場を提供するビジネスが、広がりを見せている。60歳以上を対象としたシニア派遣事業の草分け、高齢社(東京都千代田区)にヒントを得た取り組みが、静岡県など地方でも始動。生涯現役を目指し、高齢者の働く場と生きがいをつくり、健康維持にもつながるビジネスの拡大は、労働力不足や医療費高騰といった少子高齢社会が抱える問題の解消に向けた一助にもなりそうだ。
「シニアに仕事をつくるのが仕事。高齢者の求人は待っているだけではいけない」。シニアのキャリア支援を行う高年社60(静岡県富士市)代表の小松剛之シニアキャリアサポートセンター長は強調する。小松氏は人材ビジネスを10年以上にわたり手掛け、2012年9月にシニアに特化した事業を立ち上げた。
同社の経営陣には金融機関OBもいる。地元の金融機関や経営者とのつながりを生かし、登録スタッフが経験や資格を発揮できる職場を開拓している。受け身ではない点が、行政が運営するハローワークやシルバー人材センターにはない強みだ。