ディオバン問題、名郷院長に聞く 臨床研究の重要性、もっと理解を (1/4ページ)

2014.3.8 17:21

「血圧の薬は血圧を下げれば良いわけではない。大事なのは脳卒中などの合併症を減らし、最終的に長生きできるかどうか」と話す名郷直樹院長(三尾郁恵撮影)

「血圧の薬は血圧を下げれば良いわけではない。大事なのは脳卒中などの合併症を減らし、最終的に長生きできるかどうか」と話す名郷直樹院長(三尾郁恵撮影)【拡大】

 高血圧治療薬「ディオバン」に関する論文不正問題で、東京地検特捜部が先月、薬事法違反(誇大広告)容疑で強制捜査に乗り出した。ディオバンをめぐる臨床研究の不備を最初の論文発表時から指摘してきた臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)理事で、武蔵国分寺公園クリニックの名郷直樹院長に話を聞いた。(平沢裕子)

 「入院」で効果検討

 --東京慈恵会医大が実施した臨床研究の論文は2007年、世界的に権威のある医学誌『ランセット』に載った。掲載は優れた論文だからでは?

 掲載論文の全てが優れているとは限らない。あの論文には「客観性に乏しく、医師のさじ加減で決まる『入院(狭心症と心不全)』で治療効果を検討しており、結果は限定的なものでしかない」と編集者による断り書きがあった。ランセットは論文掲載ページを別刷りでも販売しており、出版社の大きな収入源になっているという。ディオバンをめぐっては製薬会社と医師との利益相反ばかりが言われるが、論文を載せたい研究者・製薬会社と出版社との利益相反がどうだったのかも知りたいところだ。

論文捏造を疑ったのは掲載から2年後

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