消費税増税はもう目前。今まで通りの買い物の仕方では負担増は確実だが、節約の仕方が分からない…。そんな人にこそ、家計簿を通じた支出の把握が必要だという。家計簿の老舗、婦人之友社(東京都豊島区)代表で、家計簿の編集に携わってきた千葉公子さんに聞いた。(日野稚子)
家庭の変化に気づく
日持ちする消耗品を少し余分に買ったり、定期券などを早めに更新するなどプラス3%への自衛策が続いている。その後はどうすればいいか悩ましい。
「家計を管理する主婦は、自分のやりくりで削減できそうな部分で増税分を吸収しようと考える。結果、食費を削ろうという発想に至りがちだが、効果の出方はもともとの食費次第だし、他にやれることがあるかもしれない。そこを把握するためにも家計簿が便利」と、千葉さんは指摘する。
家計簿は家計の状況を知るための指針だ。同社の『予算生活の家計簿』は収入と支出について予算を立て、毎日、支出を記載する。続けることによって家庭の状況変化にも気づく。千葉さんによると、トイレットペーパーへの支出が増えているのに気づいたのがきっかけで、家族の大腸がんを早期発見した愛用者が複数いるという。「家族が成長するのに伴って家計も変化するから、必ずしも予算通りにはいかない。でも、予算を立てられればゆとりの有無は数字で示される」(千葉さん)