建設現場では人手不足が深刻になっている=横浜市(ブルームバーグ)【拡大】
厚生労働省発表の有効求人倍率が17カ月連続で改善する中、民間企業の人手不足への懸念が強まっている。東日本大震災からの復興や2020年東京五輪に向け、労働需給が逼迫(ひっぱく)する建設業界のほか、物流や流通・外食産業でも不足感が顕在化。経営を圧迫しているとして、正社員登用など待遇改善に踏み込む企業も出ている。
建設、物流、居酒屋…
政府は、15~20年度の6年間で延べ15万人の建設業界の人材不足を試算する。外国人技能労働者や女性の活用拡大に向けた検討が進む。
だが、現場では型枠工や鉄筋工が特に不足しており、人件費が高騰している。型枠工の労務費の場合、震災前との比較で「東北で2.5倍、関東で2.2倍、関西で1.5倍」(大林組)といい、人材が集まりにくくなっている。
物流業界では、消費税増税に伴う通信販売などの駆け込み需要で、一部の配達に遅延が発生している。日本郵便では、宅配サービス「ゆうパック」や「ゆうメール」の取扱量が増えたが、人手不足で残業代がかさんだ。