韓国・中国本の刊行が相次ぐ背景について、扶桑社の担当者は「テレビや新聞が両国の実情を報じていないため、雑誌や書籍が補っている面が多分にある」と分析。一方、出版ニュース社の清田義昭代表は「端的にいって単なる商業主義でしかない」と指摘。そのうえで「同種の本の出版は今後も続くと思うが、近隣国とは良好な関係を保っていくべきであり、安直な出版はいかがなものか」と警鐘を鳴らしている。
中国本に関しても、8万部超の『嘘だらけの日中近現代史』(扶桑社)などが好調だが、韓国本の売れ行きには及ばない。その理由について中国・韓国本を多く手がける祥伝社の水無瀬尚新書編集長は「中国は政治体制も異なり日本と比較しにくいが、韓国は民主主義の国で日本にも近い。読者は韓国を見ることで、ひるがえって日本のことを知ろうとしている面がある」と解説する。日本にとって韓国は身近な反面教師という側面もあるようだ。