【著者は語る】ギャラリー・セントアイヴス店主 井坂浩一郎氏

2014.6.28 05:00

 □「英国ポタリーへようこそ」

 ■ギャラリー開き英国伝統陶芸の魅力伝える

 私が英国ポタリー(陶芸工房)と出合ったのは、ロンドンで暮らしていた1998年初め頃。連休に出かけたデボン地方のポタリーでのことでした。その旅先で手に入れた土ものの器は、私がそれまで持っていた英国の陶磁器のイメージをがらりと変えました。それからは、作家ものを扱うお店を探し、英国各地の陶芸フェアやポタリーを訪ねたりし、自宅の器は次々と作家ものへと入れ替わっていきました。

 当時、私はロンドンの金融会社に勤務していました。しかし、日本で金融機関の倒産が相次いだ98年秋、会社は日本との取引を停止、日本担当だった私は解雇通知を受けたその日で会社を去りました。その後は同じ業界へ戻ろうと模索しましたが、2~3カ月後にはこの機に英国ポタリーの魅力を日本に伝える仕事を始めようと心に決めました。

 私が英国のポタリーのとりこになった理由は、主に3つあります。1つ目は、作品そのものの魅力です。英国の伝統陶器であるスリップウエアや塩釉の器など、日本ではほとんど見られないものでありながら、日本人がなじみやすい温かみのある雰囲気を持っています。2つ目は、何と言っても陶芸家の人柄です。これまで数多くの陶芸家に出会ってきましたが、みなさん、ゆったりと暮らしていて、気持ちは実に豊かでいきいきとしています。3つ目は、多くのポタリーが風光明媚(めいび)な田園風景の中にあることです。陶芸家訪問の道中の小さな町や村、牧場や国立公園で車をとめて、散策をするのも楽しみの一つです。

 私が2000年にギャラリーを開いた頃、日本ではバーナード・リーチら巨匠以外の英国の陶芸家はほとんど知られていませんでした。しかし、この約15年間で、日英間で陶芸家同士の交流が活発化するなど、変化が見られるようになってきました。本書の出版を機に、英国の陶芸をさらに多くの方々に知ってほしいと願っています。(1728円 世界文化社)

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【プロフィル】井坂浩一郎

 いさか・こういちろう 1987年、慶應義塾大学を卒業。95年、英国のウォーリック大学で経営学修士(MBA)取得後、英ロンドンの金融会社に勤務。ロンドンで暮らすなかで英国ポタリーと出合い、魅了される。2000年帰国、東京・世田谷にギャラリー・セントアイヴスを開業。同ギャラリーの他、日本各地や英国、米国で展覧会を企画・実施している。

 http://www.gallery-st-ives.co.jp

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