【書評倶楽部】京セラ顧問・伊藤謙介 『太陽の棘』原田マハ著 (1/2ページ)

2014.6.28 11:22

 ■激しくも美しい魂の邂逅

 -芸術家の心の奥には深い洞窟が潜んでいる。その漆黒の闇の底には、存在の証(あか)しを求めて浮遊する魂や、生きることの哀(かな)しみの色に染められた鳥たちが飛び交っている。芸術を愛する人たちは、そんな混沌(こんとん)の住処(すみか)をお互いが持ち、そこから創造の泉を汲(く)みあげるのかもしれない-

 本書を読み進めながら、そのようなことを考えた。

 物語では、美術(アート)を愛する人々の魂のふれあいが、史実に基づいて展開される。

 沖縄での戦いが終結して3年、アメリカの若い精神科医が、軍医として占領下の沖縄に派遣される。激しい戦いで精神を病んでいる、多くの兵隊たちの治療のために。

 そこは「痛いほどの静寂。生きものがあまねく死に絶え、死が満ち満ちた、禍々(まがまが)しい大地」だった。

 画家に憧れたこともある軍医は、運命の糸に導かれるように、首里の丘の上にある「ニシムイ美術村」に集う、沖縄の画家たちと出会う。

 「生きるために描く。描くために生きる」画家たちのほとばしる生命力に、彼はすぐに魅了される。

激しくも美しい魂の邂逅

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