【江藤詩文の世界鉄道旅】タイ鉄道(3)弁当、生活雑貨にハンモックまで…列車内は買いもの天国 (1/2ページ)

2014.7.5 18:00

タイ風駅弁ともいえる「ガパオ」は40バーツ(約135円)

タイ風駅弁ともいえる「ガパオ」は40バーツ(約135円)【拡大】

  • 2等車のシートはリクライニングでき、前の座席の背面に折りたたみ式テーブルが収納されている
  • 売れ筋商品はガイヤーンと、同じくイサーン地方の郷土料理として知られる青いパパイヤのサラダ「ソムタム」
  • ピーナッツオイルの風味が豊かな「ガイヤーン」は1本25バーツ(約85円)
  • 売り子はみんな個性的。なかでも目立っていたのが、おネエ系キャラ炸裂のこのかた

 焼けた肉の香ばしいにおいが、車内いっぱいに充満した。頬の奥から生つばがわき、胃がきゅうっと収縮する。タイ鉄道東北線南線が走行するイサーン地方の伝統料理「ガイヤーン」だ。ガイヤーンとは、甘辛いタレに漬け込んでよく味をしみ込ませた鳥のもも肉を、皮目はこんがりパリッと、肉はふっくらジューシーに焼き上げる鶏肉のグリル料理。蒸したもち米の「カオニャオ」と組み合わせて食べる。車内では、串に挟んだ大きなもも肉を手提げカゴに見目よく並べ、ポリ袋に詰めたもち米とともに販売していた。

 それにしても、もの売りのバリエーションの豊富なことといったら、まったく飽きることがない。彼らは、タイ鉄道から認可を得た販売員たちだ。大きなバケツにクラッシュアイスをぎっしり詰め、ビールや炭酸飲料をきんきんに冷やすといったプレゼンテーションも工夫しているそうだ。

 発泡スチロールのパックに入った「ガパオ」をひとつ購入した。鶏ひき肉をバジルの葉や唐辛子と炒め合わせてごはんにかける、タイの典型的な屋台料理のひとつだ。半熟の目玉焼きも、ちゃんとのっかっている。売り子のおばさんは、ラップにくるまれたそれを一度下げ、どこかで温め直してから戻って来た。慎重な手つきでラップをはずし、添付のナンプラー(魚醤)ソースの小袋を切り開け、丁寧にかけてくれる。すべての作業がのんびりしている。まあ、効率はこの際問うまい。

多彩な車内販売「誰が買うの?」という商品を買った人物とは…

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