「もう一つの人生」を超えて 角田光代さん 短編集「平凡」 (3/3ページ)

2014.7.6 07:46

短編の執筆は「考え考え、少しずつ」進める。「たくさん書くことでつく筋肉もあるけど、今必要なのはそうじゃない」と話す角田光代さん(野村成次撮影)

短編の執筆は「考え考え、少しずつ」進める。「たくさん書くことでつく筋肉もあるけど、今必要なのはそうじゃない」と話す角田光代さん(野村成次撮影)【拡大】

 「源氏」に挑む

 収録作は平成19年から年に1作ずつ発表された。その間に書いた長編『私のなかの彼女』で今年第2回河合隼雄物語賞を射止めるなど充実している。「大ファン」という池澤夏樹さんが編集する日本文学全集では『源氏物語』の現代語訳という大役を任された。来年から3年間は小説の連載は休み、翻訳に挑むという。

 「自分の小説以外を優先させなきゃいけないのは初めてのこと。いろんな人が『きっと何かが変わるよ』と声をかけてくれる。それを期待したいですね」

【プロフィル】角田光代

 かくた・みつよ 神奈川県生まれ。平成2年に「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受けてデビュー。8年に『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞。17年に『対岸の彼女』で直木賞を、18年には「ロック母」で川端康成文学賞を受賞。24年には『紙の月』で柴田錬三郎賞を受けるなど受賞歴多数。ほかの著書に『空中庭園』『八日目の蝉』など。

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