【書評】『神と仏の再発見 カミノミクスが地方を救う』長部日出雄著 (1/2ページ)

2014.7.12 11:49

「神と仏の再発見」

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 ■日本人のエネルギーの源泉

 著者の長部氏は、国民学校の5年生で敗戦を迎え、その後、日本の伝統文化をすべて否定する「戦後思想の申し子」のような少年期を過ごし、過去に背を向けたい気持ちが強く、京都や奈良の名跡を巡る修学旅行にも参加しなかったという。多かれ少なかれ、戦後世代がみなそのような経験を経ているが、しかし氏は、不惑の年を過ぎてから、東大寺を訪れたり、各地の神社、仏閣を歩くようになったといわれる。戦後転換の典型的な作家といってよいだろう。まだ「戦後思想の申し子」が、文壇、論壇に大手をふって登場していることを考えれば、このような思想転換した知識人は稀(まれ)といっていいかもしれない。

 また、このような優れた紀行文が、津軽書房という地方出版社から出されるのも、まだまだ中央の出版界は「過去に背を向け」ている証拠かもしれない。しかしもうそうは言っていられないはずである。伊勢神宮に1千万人近く訪れ、初詣の参拝客は1億人近くにも達しているのである。長部氏も「実際のところ、日本人の信仰心は未だに健在で」、訪れた神社や寺院の「隆盛」ぶりに目を見張っている。「実は神社と寺院こそ、日本人のエネルギーの源泉なのだ」と述べておられる。

この本は随所に歴史上の卓見が見られる

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